マーケットアウトのタネは究極のコミュニケーション能力
コーポレートセンター IT室・・・ 前田晴美
マーケットアウトとは何か?私は身近なところにこそ、そのタネ(種)があるのではないかと思うのだ。
出勤前、私の朝はコーヒーショップのラテで始まる。
特別なことはないが、無脂肪ミルク+カップに耐熱カバー+飲み口のふた、が定番仕様だ。
通いつけるものである、いつしか当たり前のようにその状態で用意してくれるようになった。
やってもらって当然と思っているわけではないのだが、毎朝同じと分かっていることを頼むのも少々億劫なものである。「プチサービス」、私はこれをそう呼んでいる。大事なことは、決して特別なことばかりではないと思い知らされる。
コーヒーの味や飲み方を顧客が自由に選択できるサービスは、既に「マーケットアウト的」ではある。けれど、いつしか「いつもの」の一言で自分のコーヒーが出てくるようになること、それは客として純粋にうれしいことだ。
そしてもうひとつ、私はマティーニに目がない。
銘柄はゴードン(ジン)、ピンに刺したオリーブ3つを浸す。これも私の定番。
シンプルだが作り手のスキルが如実に表れるマティーニを、私好みの味で出してくれる店は少ない。
お気に入りのお店では、「マティーニ!」の一言でこれが出てくるのだ。
ここに至るまでの経緯は前述と同じである。だが、すばらしいのはその先である。
複数いるバーテンさん、その誰に当たってもこの基本ルールは順守されている。それが初めて会うスタッフであろうと、サービスの質は変わらない。いちいち好みの説明をしなくても「オリーブ3つ」である。そう、ここなのだ、ここがすばらしい。
聞けば、常連客の好みを内部スタッフで共有し安定した質で提供する仕組みが出来ている、というのだ。
つまり、これらは単なる「気配り」のように見えて、消費者とのコミュニケーションによって作られた立派な「生きたサービス」なのだ。考え方もやり方も、きっと他にたくさんあるだろう。けれど、私は普段見過ごしがちなこのタネ達を、マーケットアウトビジネスのひとつの重要なヒントと考えている。