オトメゴコロと靴とマーケットアウト
フードデザイン事業部 ・・・小山 清佳
どうしてそんなに履きづらそうな靴を履くの?と訊かれました。
答は至って簡単です。その靴が、素敵だからですよね(私は先のとがった、ヒールの高い靴が好きです)。
たとえ足が痛くても、靴ずれをしても、その靴が自分にとって素敵ならば頑張って履きます。
それがオトメゴコロ・・・というものです(笑)
もちろん自分の体にフィットするならばそれに越したことはないのですが、アパレルの世界は非常にマーケットアウトが難しい分野です(Backnumber #10も合わせてご覧下さい)。アパレルにおけるマーケットアウトとは、一見お客様の体型に合った服飾品作りのように思えます。ところがいくら足にフィットしたとしてもデザインが素敵なものでなくては、おしゃれを大切だと考えるオトメたちの心は動かないのです。
そんなある日、友人から欧米には『足のお医者様』というお医者様がいることを教えてもらいました。日本では外反母趾など足の病気になった場合は整形外科へ行きますが、欧米では足の病気に特化した病院があるとのことです。日本の大学では、歯学部や獣医学部は医学部とは違った教育プログラムで設置されていますがそれの足学部(?)版といったものがあるようです。フランスでは医師になるためには8年ほどかかるそうですが、足の医師になる場合は3年で済むとのこと。欧米はもともと靴文化だったせいもあるのかもしれませんが、足に特化した病院があり、それで開業が出来る文化に驚きました。
もしも自分の足のカルテが定期的に作られていて、カルテをもとに選んだ靴のデザインにカスタマイズをしていくことが出来たら・・・?
おしゃれと快適さをどちらも手に入れることが出来るのではないでしょうか?
また自分が履いている靴のデータが定期的にお医者さまのもとにわたっており、足の痛みの原因をアドバイスしてもらったり、時には治療してもらえたとしたら・・・?
もっともっと自分の体を大事に出来るし、おしゃれ心もアップ、靴も長持ちするのではないでしょうか?
この例におけるマーケットアウトのポイントは、お客さまの声=靴を買う消費者にとっては『足型』、それをデータベース化する場所があるというところです。デザイナーは世の中のトレンドをもとにお客さまにデザインの提案をし、足のお医者様がお客さまのニーズを捉え、パタンナーはお客さまのニーズを踏まえてカスタマイズをした足型を作る。足のお医者様という足の専門家がいわばコンシェルジュ的な役割を果たすことで、お客さまの声を基にした市場作りに転換できるのではないかと思います。
おしゃれは足元から、ならばひとりひとりが快適に楽しめるおしゃれがあるともっとハッピーになれるのになぁ、と考えながら先のとんがった靴を履いて出社する私です。