オーダー・メードは究極のマーケットアウト
ファインアーツ事業部 広本 伸幸
夏真っ盛り、スイカの季節です。スーパーにはパック入りの「カット・スイカ」が並んでいます。丸ごとの1個を選ぶときは、叩いて音の良し悪しで熟れごろを探さねばなりませんでしたが、切り身?になったスイカは色だけで美味しそうなのを選ぶことができます。
赤、白、皮の緑と黒い種、スイカは絵になると思います。夏、部屋にスイカの絵をかけてみたい、でもスイカの絵はどこで買えるでしょう?e-Bayのネットで調べると、ボテロやフリーダ・カーロの印刷物の複製なら手に入ります。でも本物のアートがほしい。
思い切って、以前女の子を描いたスケッチを買ったことのある若い画家に「スイカと女の子のテーマで絵を描いてもらえないかな」とお願いしました。美術評論もしている自分からの注文に、驚きと緊張のためか「背筋がスッと伸びる思いで、また何か新たな手ごたえを感じながら」描いたそうです。
2週間後絵が出来上がってきました。ゾクッとするほどのできばえです。画家も傑作が描けて喜んでいますし、お客の自分も大満足、注文してよかったと思いました。
元来絵は注文制作されるものでした。それが19世紀末から一部の画家たちは売れるあてのない自由な絵を描き始めます。印象派と呼ばれるそれらの絵は今では最も高価なものです。印象派に匹敵する高額の作品で知られるウォーホルは、注文肖像画を沢山制作しました。注文即ちオーダー・メードは古典的かつ究極のマーケットアウトかもしれません。