起業専業企業×マーケットアウト 株式会社エムアウト
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ビジネスコンセプト〜本当に欲しいものってなんだろう?
田口 弘 語録
2008年7月
【社長語録】視点を大きく持つために

Q: ベンチャー企業の成長は経営者の視点の大きさ次第であり、中長期的に見れば、ここで大きく差が出てくると思います。視点を大きく持ち続けるため、もしくは視点を大きく持てるように成長するために、日々やること、もしくは考え方の転換のポイントはあるのでしょうか。


A: 自分はチームの一員であり、チームは会社の一部であり、会社はその業界の一部、業界は日本の一部、日本は世界の一部である。
自分を中心にどんどん範囲が広がっていきます。大局観とはこの広い全体の動き、大勢を的確につかんでいるということです。視点を大きく持つということは、この大局観の範囲が広いということです。大局観の大局が広ければ広いほどその中の自分自身を的確に捉えることが出来るのです。
   
 よく「井の中の蛙、大海を知らず」といいますが、私はむしろ「井の中の蛙、自分自身を知らず」だと思います。大きな世界を知らないと自分自身を的確にポジショニングできない。自分自身のポジショニングがわからなければ、どちらに進めばよいのかもわからない筈です。すなわち成長できないということになります。
   
 従って、視点を大きく持つためには、出来るだけ多くのことを学び、出来るだけ多くのことを経験しなければなりません。ここで多いというのは時間的に多い、回数が多いということではなく、質的に中味が濃いという意味です。そのためには何事も真剣に立ち向かうこと、逃げずに真正面から挑戦する姿勢が必要なのではないでしょうか。

2008年6月
【社長語録】「マーケットアウトの成功事例」と「評価できるプロダクトアウトビジネス」

Q:マーケットアウトの手法を取っている他社の成功事例はありますか?

A:「プロダクトアウトからマーケットアウトへ」という場合、それはあくまでも相対的な概念で、ここまでがプロダクトアウトで、ここからがマーケットアウトだというはっきりした区別がある訳ではありません。

それに私たちのいう「プロダクトアウトからマーケットアウトへ」という方向は特別なものではなく、世の中のビジネスは今、プロダクトアウトからマーケットアウトの方向へどんどん動いていると考えていいと思います。従って、一般的にその業界で「勝ち組」といわれる企業は、そうでない企業より、その重心をマーケット寄りに移した企業だといっても過言ではありません。

具体的な企業を上げるとすれば、「成長期」の「セブンイレブン」当時の社長であった鈴木敏文氏の言動はまさに我々のいうマーケットアウトの発想であり、私たちも大変勉強になっていました。

百貨店業界の「勝ち組」に「伊勢丹」があります。この企業はマーケットアウトの発想の大変強い会社として知られています。象徴的なことを一つあげると、一般的には百貨店の各フロアのことを売り場といいます。しかし、伊勢丹では「買い場」というのだそうです。売る側から見れば「売り場」になりますが、消費者側から、すなわち買う側から見れば「買い場」ということになるからです。
常に買う側の視点で商売が行われている証拠です。

またメーカーでは花王の商品開発はまさにマーケットアウトなシステムになっています。従ってヒット商品になる確率が非常に高いのではないかと思われます。その他、ヤフーやグーグル、アマゾンなど新しいIT産業はすべからく、マーケットアウトの発想から生まれたものだと思われます。


Q:プロダクトアウトの企業でも、評価できる実存する企業はありますか。あるとすればそれはなぜですか。

A:プロダクトアウトからマーケットアウトへという場合、全てのビジネスがマーケットアウトビジネスに変わってしまうわけではありません。例えば工作機械やプラント、原材料や研究開発コストが大変高額になる商品、サービス、ソフトなどトータルコストのうち生産コストのウエイトが高いものは生産者を中心としたシステム、すなわちプロダクトアウトビジネスの方がずっと有利になります。

それに対して、生産コストのウエイトよりも流通コストのウエイトの高いもの、又はサービスコストのウエイトが高いものは、恐らくすべてマーケットアウトビジネスに変わって行くと思われます。
従ってプロダクトアウトビジネスの方が有利な商品、業界は沢山ありプロダクトアウトビジネスは確実に今後も存在し、発展するものと思われます。

ただ世の中の動きは「ものばなれ時代」「サービス時代」「知価社会」など、ものでない部分がどんどん大きくなっていますから、マーケットアウトビジネスの範囲が益々拡がっていることは確かです。

2008年5月
【社長語録】「理論と実践」「発想の転換」

 質問は二つあります。先ず一つ目の質問は、「客観視ができるようになるためには、どのような本を読めば良いのでしょうか、またどのような経験をすればいいのでしょうか」です。

 本を読めば良いというものではありません。勿論、読書は必要です。しかし読むだけでは机上の空論です。理論と実践は、常に一致していなければなりません。従って、色々な理論や情報、色々な実践経験が必要です。それは多ければ多いほど、物事を客観的に正しく見ることが出来るようになります。
 将来の大企業を夢見て新しいビジネスモデルを立ち上げるためには、他人より、より多くの理論と実践を身につけ、じっくり考えて立ち上げを検討すべきだと思います。
 

 二つ目の質問は「誰も思いついた事がないビジネスモデルを思いつくにはどのようにすればよいでしょうか」というものです。


 新しいビジネスモデルを思いつく方法には色々あると思われますが、私の場合は「発想の転換」でした。
 例えば販売代理店から購買代理店への発想の転換がありました。つくったものを生産者に代わって売る販売代理店ではなく、消費者の欲しいものを消費者に代わって買う、購買代理店への転換です。いかにして売るかではなく、いかにして買うか、を考えて行くと従来とはまるで違う新しいビジネスモデルが見えてきます。
 更に発展して「プロダクトアウトからマーケットアウト」への発想の転換になりますと、
生産者の立場で考えたビジネスモデルから、消費者の立場で考えるビジネスモデルは全く違った、新しいものに成る筈です。
 
 このように従来の古いビジネスモデルを逆にして見たり、反対側から見てみたり、立ち位置を変えたりすると、新しいビジネスモデルが見えてくるかもしれません。

2008年4月
【社長語録】再考:ベンチャーファクトリー

今、なぜベンチャーファクトリーなのかということについて、もう少し話をしてみましょう。
皆さんもご承知の通り、今ベンチャー業界は全く元気がなくなっています。いいベンチャーが育たない、IPOをしてもそれからおかしくなる企業が続出する。 投資家は新興市場に投資をしない。従ってIPOする企業がどんどん減少、VCなども淘汰の時代に入った。
一国の経済が成長するためには、新しい事業をどんどん興してゆくことが必要ですが、わが国ではこの機能が疲弊しています。それはなぜでしょうか。
今のベンチャーシステムは欧米、特に米国で発達しました。そこでは個人主義が確立され、プロフェッショナルな仕事の仕方が定着しています。従って一つのいい事業のアイディア、構想が生まれるとプロの経営者や専門家が集まって、一つの事業を創るというシステムが出来上がっていました。それに対して、わが国では個人主義が未発達な上に、プロフェショナルな仕事のやり方が定着していません。
そのためにわが国の若いベンチャー経営者は八面六臂の活躍と、数少ない幸運に恵まれることが必要になります。従って成功の確率は極端に低くなるのです。

今のベンチャーシステムは、欧米からの直輸入品であり、日本又は日本人に合っていないのではないと考えられます。わが国は欧米や、中国などのアジア諸国に比べても、かつてどこからも侵略されていない島国で、しかも単一民族の日本人は独特な資質を持っています。その日本人の特徴を生かした新しいベンチャーシステム、新しい事業創出の仕組みを創るべきではないでしょうか。

それが我々が目指すベンチャーファクトリーです。では、ベンチャーファクトリーとはどんなものなのでしょうか。

(1)一人のカリスマではなく、集団の力を結集するもの。

ベンチャーファクトリーは、一人のカリスマが初めからずっと一つの事業を創ってゆくのではなく、工程別、機能別の専門家がそれぞれの強みを結集して一つの事業を創ります。
わが国は戦後の高度成長期に、個人としての力ではなく、会社の組織として個人の力を結集することで、日本独自の集団の力を発揮してきました。日本人は一人では弱いが集団になると強いといわれてきました。
ベンチャーファクトリーは、この集団の力を最大限に発揮することで、新しい事業を創ってゆこうとするものです。


(2)「思い入れ」の問題。
   
従来のベンチャーシステムでは、起業家の、その事業に対する「思い入れ」が源動力となって起業が成功すると考えられています。しかし、その「思い入れ」が逆にベンチャー失敗の原因になったり、あるいは小さなビジネスで終ってしまう要因になる場合の方が、よほど多いのではないかと考えられます。「思い入れ」が強いあまりに、その人の思いが先行して、ビジネスに客観性がなくなることがよくあります。
個人で出来る範囲はそんなに大きくはありません。
エムアウトに於いては、例えば、事業部の事業部長は、その事業だけを成功させるという「思い入れ」ではなく、ベンチャーファクトリーとしてのエムアウトを成功させよう、そのための一環として携わる事業を成功させるという「思い入れ」が必要なのではないでしょうか。
我々が目指すものは、それ程に、大きな構想であり、大きな経営者を必要としているのです。

(3)プロの経営者の育成。
 
わが国にはプロの経営者がいないと言われてきました。
戦後、わが国の企業は、「年功序列」「終身雇用」という独自なシステムで高度成長をなし遂げてきました。
従ってわが国には、一つの企業しか知らない、一つの業界しか知らない経営者ばかりになってしまったのです。
それでは、プロの経営者とはいえません。
ベンチャーファクトリーでは、色々な事業、色々な業界、色々な工程を経験することで、新しい時代の経営者を育成することができるのではないかと考えています。
そのためにエムアウトでは人財の流動化を促進し、「着眼大局、着手小局」を実践する経営のプロ集団にしなければなりません。


--エムアウトよりお知らせ----------------------------------------------------

毎月みなさまにお届けしております田口弘の「社長語録」。皆様のおかげを持ちまして、次回で60回目を迎えます。
これまで田口が提唱する経営論をみなさまにご紹介してまいりましたが、今後はぜひ皆様からのご意見、ご質問も募集させていただきいた上で、より皆様にとっても有益な内容にしていきたいと考えております。
「マーケットアウト的社長語録」を目指し、皆様が疑問に思っていらっしゃること、田口に聞いてみたいこと、何でも結構ですのでぜひお声をお寄せくださいませ。

田口へのご意見・ご質問はこちらまで ask_taguchi@m-out.com

2008年3月
【社長語録】エムアウトで働くということ

エムアウトが目指すものは、既に何回かお話したように
(1)マーケットアウトビジネスの創出であり、(2)起業専業企業であり、(3)ベンチャーでも大企業でもない第3の道であり、(4)ベンチャーインキュベーターでなくベンチャーファクトリーです。

 これらはある程度方向は見えていますが、しからばどういう風にやるのかということになると、まだはっきり先が見えないのが現状です。
 そのためにエムアウトでは「先が見えない、不安だ」と思う人が多いと思われます。
 
だとすれば、我々はどうすればいいのでしょうか。
かつて開拓者、先駆者、発明者、改革者、あるいは成功者といわれた人はみんな、方向を定めて、先の見えない道、道なき道を歩いた人たちです。暗い荒野をさ迷った人達です。一つの方向に向けて一歩一歩、確実に歩いて行けば、必ず道は開けると信じて。先が見えて、はっきりと作られた道を行くのは人生としてつまらないと思いませんか。
 
 自らの力で新しい道を創り出し、少しずつ先が見えるようにする。将来は与えられるものではなく、自ら造るものだと思います。

 自ら自分の未来を創る人が、プロの経営者であり、プロのビジネスマンではないでしょうか。

 今年のテーマは「実績」です。目の前の実績を一つ一つ積み重ねることで、自分自身の未来を創っていこうではありませんか。

2008年2月
【社長語録】実績重視とビジョン、コンセプトとの関係

 今年のエムアウトの方針として、「実績重視」をあげた。エムアウトは社長の私が、どちらかというと、ビジョナリーでコンセプチュアルなマネジメントが得意なため、ビジョン、コンセプトはいいが、どうも実績が伴わない企業体質になってしまっているのではないかという反省があり、今年の方針は「実績重視」ということになった。
 ビジョンやコンセプトを重視すると、実績が疎かになり、実績を重視するとビジョンやコンセプトが疎かになると考えがちですが、そうではないと思う。

 マーケットのニーズ、ウォンツによってビジョンやコンセプトが出来、一つの新しいビジネスモデルが出来上がったとしても、それはあくまでも仮説であり、こちらの勝手な構想です。それを一つ一つ実績に落とし込み、実績に変えることで、リアリティのある、足が地についたビジネスモデルが創られるのです。

 実績はマーケットの意志であり、ニーズです。たとえばAという商品が沢山売れたということは、マーケットがそのAという商品を欲しがっており、その対価を払ってでも欲しいというマーケットの意志であり、ニーズなのです。従って実績に基づくということは、マーケットの意志に基づくということです。
 マーケットアウトビジネスは、マーケットの意志に基づいて創るビジネスです。実績を伴わないビジネスは、マーケットアウトビジネスではなく、こちらの一人よがりな思い込みにすぎない。実績を伴って始めて、マーケットアウトビジネスということになります。
 しからば、どの程度の実績が必要なのかということが重要になります。それは、マーケットもメーカーも、そして我々も利益を出して、成長できるだけの実績ということになります。そのようなビジネスモデルを構想し、一つ一つ実績に落とし込んでゆくのが、我々起業専業企業の仕事ではないでしょうか。

2008年1月
【社長語録】2008年の年頭にあたって

あけましておめでとうございます。
新しい年を迎え心から新春のお祝いを申し上げます。

昨年は色々なことがありました。食品業界、特に老舗の不祥事、防衛省や政治家の不祥事、参院選での自民の大敗。年金問題、薬害問題などなど。
そのもとに何があるかを考えてみると、戦後わが国の高度成長を支えた、政治・経済・社会のシステムが、時代が変って、機能しなくなってきていること、いや機能しないだけでなくて、マイナスに働いていると考えられます。従って根本的な解決策は、もとのところから、その流れを変えなければなりません。

 その流れを変えることを私たちは「プロダクトアウトからマーケットアウトへ」と言っています。政治の世界では「ガーバメントアウトからシチズンアウトへ」ということになります。

 この流れを変えるポイントは何か、を考えると、それはオープンという概念です。昨年の色々な不祥事は全てクローズドな世界に発生したものばかりです。もっとオープンにやっていれば起こらなかった筈です。

 従って、我々が目指すマーケットアウトビジネスのポイントはオープンポリシーということになります。私は常々「バレたらダメになる商売は初めからやるな!!」と言ってきました。オープンを前提にした商売でないと、これからは駄目だと思います。

そういう意味で新しい年2008年はオープンなマーケットアウトビジネスが加速する年になるものと思われます。
この流れを適確に捉えて、新しいビジネスを創り出していこうではありませんか。

新春にあたり、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。


2008年1月1日

株式会社エムアウト
代表取締役 田口 弘

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