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社長メッセージ社長メッセージ

社長語録

【社長語録】「新規事業の撤退、継続の判断基準は?」「エムアウト自体のM&A提携の可能性」「FSの目的」

1.新規事業の撤退、継続の判断基準は?

Q1 新規事業が計画通り推移しない場合、最終的に撤退するか、継続(追加投資)するかを判断する際に、社長自身が最も重視する基準、ポイントは何でしょうか?

A1 今わかっている、新規事業立ち上げの条件として考えられるものは、次の3つです。

(1)有効市場
マーケットアウトビジネスとして、市場が明確に特定されていて、単に市場がどれだけあるかではなく、確実に取れる市場、即ち有効市場が十分あること。

(2)絶対的付加価値
その事業が行われることによって、従来なかった新しい絶対的付加価値が大きく創出されること。

(3)発想の転換
従来のリアルなビジネスから発想を転換し、ネット化、IT化によって、従来の業者と決定的な差別化を図り、しかもスケールメリットがどんどん出てくるビジネスモデルであること。

以上の新規事業立ち上げ条件について、エムアウトのこれまでの主な新規事業会社の事例を見てみましょう。

(1)株式会社キッズベースキャンプ
【小学生のアフタースクール等を運営する民間学童保育事業】
学童保育という働くお母さんの切実なニーズに応えたビジネスモデルで、有効市場も十分であったが、発想の転換によるネット化、IT化が難しく、スケールメリットが出しにくいため、産業化が難しいモデルであった。電鉄会社の沿線価値向上という戦略の一つとしてM&Aが成立した。

(2)株式会社タグボート
【現代アート等のオンライン販売事業】
インターネットギャラリー「タグボート」は、時代の要請ではあったが、有効市場が小さく、絶対的付加価値も、スケールメリットも出しにくいモデルで産業化は難しいと判断、スモールビジネスとしては成立するため、MBOで売却した。

(3)株式会社カロリズム
【低カロリーの弁当・惣菜を提供する中食事業】
低カロリー食品の製造販売というビジネスモデルは、市場は大きいが、有効市場が特定できず、絶対的付加価値もスケールメリットも出ないことが明らかになり、撤退することとなった。

(4)株式会社G・F・P・I(ジー・エフ・ピー・インターナショナル)
【女性向けオーダーメイドパンツの製造・販売事業】
女性向けカスタマイズオーダーパンツ事業というビジネスモデルで、一般的なニーズはあったが、百貨店の下請けとしての位置づけになってしまったため、プロダクトアウトビジネスのメーカーとしてのビジネスモデルであり、我々が主張するマーケットアウトビジネスにはなり得なかったため、撤退した。


2.エムアウト自体のM&A(合併、買収)、提携の可能性

Q2 今後、エムアウト自体がどこかの会社とM&Aを行ったり、提携をしたりする可能性はあるのでしょうか?

A2 私達が創るスタートアップカンパニーではなく、エムアウト自体のM&Aや提携について考えてみましょう。

(1)合併
合併というのは、例えば銀行や証券会社や製鉄会社や自動車会社などの合併のように、ある程度、成熟した企業が、更にスケールメリットを出すために行われる場合が多いと思われます。そういう点から見ればエムアウトはまだまだ新しいビジネスモデルを求めて試行錯誤をしている段階ですから、当分は合併はないものと思われます。

(2)買収
エムアウトが他の会社を買収することがあるかを考えてみると、エムアウトは全く新しいビジネスモデルを創ろうとしている会社ですから、従来の古い会社を買収することはしない方がいいと思います。例えば将来ベンチャーキャピタル業務をやるとすれば、そういう会社を買収することになるのではないかといわれますが、それより経験者をスカウトして、新しいビジネスモデルに合ったものを創る方がいいと思われます。
また、エムアウト自体が他の会社に買収されることがあるかという点については
どうだろうか。
エムアウトが現在、挑戦しているスタートアップファクトリーというビジネスモデルを確実に創り上げることが出来れば、他の会社から買収されることはないと思います。新しいビジネスモデルを確実に創り上げられない時は、その機能を活かせる会社に買ってもらうことになるかもしれません。

(3)提携
エムアウトが行うビジネスはすべてマーケットアウトビジネスです。
そのマーケットの代行者であり、コンシェルジェであり、購買代理人です。従ってマーケットのニーズに基づいて、クロスファンクショナルに、色々な業者と提携関係を確立していくことは、大いにあると思われます。
例えばSUFプロジェクトが将来、ベンチャー業界専用のスマホアプリやソフトウェアを提供するために、スマホやソフトの開発会社と提携していくことなどが、考えられます。
エムアウト本体の提携関係は、スタートアップファクトリーのビジネスモデルがもっとはっきりしてくると、見えてくるものと思われます。


3.FS(フィジビリティ・スタディ)の目的

Q3 スタートアップのプロセスにおいて、テストマーケティングを行うFS(フィジビリティ・スタディ)のフェーズでは、予め考えた仮設を検証し、当初の計画を達成することが最大のゴールになるのでしょうか?

A3 大企業が既存のビジネスを改善、合理化型で発展させる場合に行うFSとエムアウトが全く新しいビジネスを開発するために行うFSとは、かなり違ったものになると思います。
大企業が既存の市場で新製品のテストマーケティングを行う場合は、地域や期間を限定して、テスト販売を行えば、その新商品の可能性はかなりの精度で掌握することは出来ると思います。しかし、エムアウトのFSは全く新しい、まだやったことのない事業の可能性を検討するのですから、地域や期間を限定しても、全部をやってみるわけにはいきません。
この場合のFSは例えば、科学研究所などでよく行われる科学実験のようなものではないでしょうか。スカイツリーの安全性を確認するために実物と同じものを造ってテストする訳にはいきません。1000分の1のミニチュアで実験したり、色々な実験をすることによって、その安全性を検証しなければなりません。その検証の実験方法を考え出すことが最も重要なポイントになります。どんなことを実験し、何を検証すれば、その事業の可能性が実証できるか、そのための検証計画の立案が重要になる訳です。
しかし、どんなFSをやっても必ず成功するという保証が得られる訳ではありません。
最後は担当者がそのFSを実施することで、このビジネスモデルは必ず成功させることが出来るという確信を得ることが最も重要であり、それがFSの目的ということになるのだと思います。FS実行者の商売センスが問われるというところです。
そのためにはマーケットを特定し、その特定したマーケットの中に入って、マーケットと同じ立場に立って考えて見ることが必要になるのです

【社長語録】「人格と実績」「マネジメント力とリーダーシップ」「創造性を発揮するためには」「エンジェルとして投資する際の判断基準は」

1.人格と実績

Q1 ある雑誌で、有名なネットベンチャー企業の創業社長が、管理職を登用する際、「人格がよくて、実績がない人」「人格が悪くて、実績がある人」のどちらかを選ぶとすると、「実績」より「人格」を圧倒的に重視するといっていました。社長自身はどのようにお考えになりますでしょうか?
      
A1 「人格がよくて、実績のない人」と「人格が悪いが実績のある人」どちらかを管理職に登用するとすれば、「人格がよくて、実績のない人」になるのかもしれません。
しかし会社には色々な人がいなければなりません。「人格が悪くても実績のある人」も社内にいる必要があります。実績のない人格者ばかりになっても困ることになってしまいます。多くの「人格は悪くても実績のある人」が「人格はあるが実績のない人」の下で仕事をするというのはいいのではないでしょうか。この場合、実績を創る人が人格のある管理職より、より多くの実績に見合った報酬を得てもいいと思います。
組織とは、人それぞれのいいところを生かして、協業することによって1+1は3にも4にもなる成果を創出するのが、いい組織であり、その組織の絶対的付加価値であります。

2.マネジメント力とリーダーシップ

Q2 エムアウトの業務遂行において、管理職やリーダーは、マネジメント(経営管理)力とリーダーシップ、どちらの割合が多く求められるのでしょうか?

A2 ある企業で、ビジネスモデルが確立され、完全に成長期に入った場合、必要なものはマネジメント力だと思います。しかし、その企業のビジネスモデルも古くなって、成長力が落ちてくると、従来とは違う、新しいビジネスモデルに変革しなければならなくなります。
そういう場合に、最も必要になるのがリーダーシップだと考えられます。わが国の政治についてみると、戦後の高度成長時代に必要だったのはマネジメント力でした。しかし現在のように、失われた20年という時代になると、政治の構造を全く新しいものに変革する必要がでてきます。そういう時代の政治に必要なものがリーダーシップではないかと思われます。
エムアウトが目指す「スタートアップファクトリー」というビジネスモデルは、常に新しいものを創るビジネスモデルであり、しかもまだビジネスモデルとして確立されていないモデルです。従って今のエムアウトにとってより多く求められるのは、リーダーシップだと思われます。しかし、企業という組織である以上、マネジメント力も必要であることはいうまでもありません。
企業においては、その状況によって、マネジメント力がより多く必要な場合とリーダーシップがより多く必要な場合がかなりの期間の間に交互にやって来るのではないかと思われます。私はリーダーシップに強い経営者の後は、マネジメント力に強い経営者というように、交互に経営者の種類が変わるのがよいのではないかと思っています。

3.創造性を発揮するためには

Q3 エムアウトには他にはない新しい事業を立ち上げることがビジネスなので、携わる人間には高い創造性が必要になると思いますが、より高い創造性を発揮するためには、どのような仕事の進め方や時間の使い方が有効なのでしょうか?

A3 創造性を発揮するために、必要だと思われることをいくつか考えてみましょう。
(1)高い目標
何においても常に高い目標を持つこと。低い目標だと創造性を発揮しなくても出来てしまいます。高い目標を設定することで、革新や発想の転換を行わざるを得なくする必要があります。

(2)目標達成に対する強い決意
目標達成に対する決意が弱いと、すぐに諦めたり、目標を変えたりして創造力は発揮されません。強い決意を持てば、簡単には諦めず、これでもか、これでもかと人一倍努力することで、新しい創造性が生まれるのだと思います。創造性とは苦しんで生まれるものではないでしょうか。

(3)視野を広げる
今、自分がやっている仕事、関係している業界、考えているビジネスモデルだけでなく、それ以外のことへも視野を広げてみること。ビジネスばかりでなく、政治や宗教、歴史やスポーツ、音楽やアートなどの世界も学んでみるのもいいでしょう。新しい分野へ視野を広げることができれば、また新しい発想やアイディアなど創造性が発揮されるチャンスが増えるのではないでしょうか。今やっている仕事しか見えていないために、どつぼにはまり込んで身動きできなくなっていませんか。より広い世界へ羽ばたいてみるのもいいと思います。ただこの場合ものごとを俯瞰で見ることを学ばないと、視野を広げることは難しいでしょう。

(4)人と話合う
人と話合う時、その人に理解してもらうために自分の考えを整理したり、見方を変えてみたりします。すると一人で考えていた時とは、違った考えが出てきたりします。また相手の見方が自分と違っていて、新しい見方、考え方を教えられたりすることがあります。何かに行き詰ったりしたら、違った立場の人や違った仕事をしている人と話をしてみると、新しい創造性の糸口が見つけられたりするのではないでしょうか。

4.エンジェルとして企業に投資する際の判断基準は?

Q4 社長自身が一投資家(エンジェル)として企業に投資する際、どのような判断基準を持って行っていますでしょうか?また、投資に値する企業とはどのようなものなのか、社長のお考えを教えて下さい。

A4 私はミスミ(現ミスミグループ本社)の社長の時代から、エンジェルとして約20社のベンチャー企業に投資をしてきましたが、ほとんどが失敗に終わりました。投資した企業が上場し、少々ですが回収できたのは3社にすぎません。
考えて見ると投資する際の判断基準などほとんどわからないまま投資していたということです。それは私だけでなく、我が国のベンチャーへの投資家はほとんどがわからないまま投資をしていたのではないかと思います。従って、ベンチャー企業の成功の確率が極端に悪く、ベンチャー企業へ投資する投資家も少なくなり、ベンチャー業界が低迷することになったのではないかと思っています。
そんなことから、エムアウトではベンチャー企業に投資する際の判断基準を明確にするために、スタートアップファクトリーという新しいビジネスモデルへの挑戦を始めたのです。
そのために、先ずスタートアップ(起業)を徹底的に研究し、実際にスタートアップカンパニーを創出することで、ノウハウを蓄積し、投資する際の判断基準を明確にしようと只今奮闘中ということです。